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第19回 人情豊かで、安心安全な田原の里を象徴する伝統行事“お月見泥棒”

◆お月見泥棒は、今も田原の里に残る伝統行事である。
毎年、中秋の名月の晩、ススキやハギの花などと一緒に、軒先に供えられた芋や団子、栗などの果物などを盗んでも構わないという地域の伝統行事である。
古老から聞いた話では、田原地区に伝わる“お月見泥棒”は、中秋の名月を拝み、名月の映える天の川で手を清め、悪病を洗い流すという信仰心に付随した「芋たばり(賜り)」が変じて、”芋泥棒””お月見泥棒”に変化した、地域の素朴な遊びであった、という。
私も、子どもの頃に、このお月見泥棒を体験したものだが、単に盗むことを許されるという事だけではなく、大いに遊び心があったと記憶している。昔の田原の家はその大半が農家で、中庭があり、本屋には必ずといっていいほど縁側があった。この縁側にススキやハギなどと一緒に、団子や芋が供えられていた。その家の家人に気づかれないようにこの縁側に近づき、供えられた団子や芋を突き刺せるように針金などを巻き付けた長い竹を使って、家人に見つからないように突き刺して盗むのである。
「よし、よし。」と盗み出し、表に出て、口に入れると、「辛い!」と、吐き出したことがあった。その家のいたずら心で、中には塩が入っていたりもしたのである。この頃のお月見泥棒には、大人にも遊び心があり、地域全体が楽しんでいたように思う。
そして、何よりも、名月の晩といえども、暗くなった夜に、子ども達が自由に地域を闊歩して、供えられた芋や団子を盗みまわることができるという地域力があったのだと思う。
いたずらをした家の人が、「ごめん。ごめん。」と、後で、おいしい団子をくれたことは言うまでもない。
子ども達が暗くなって出かけ、隠れて密かなスリルを楽しみ、地域の人たちも遊び心を以てその子ども達を温かく迎え入れるという、この伝統行事は豊かで安心・安全な地域社会の上に立って初めて成り立つもので、今も続く地域の力が伝統行事の源泉、といいたいところだが、昨今は少し様相が違ってきたようである。

◆最近、田原の里でみられる”お月見泥棒”の様子は、私が子どもの頃に体験した伝統行事とは大きく変わってしまったようだ。
まず、子ども達は、出かける時間と範囲が決められ、自由に地域を闊歩することはなくなった。
次に、在所の古い家はともかくとして、新しい今風の家が増え、軒先や廊下のある家は少なくなり、玄関先やガレージ前などに、ススキやハギの花は見られず、ただ段ボール箱に入った駄菓子屋や飲み物などが、いつでもどうぞと云わんばかりに置かれていることが多い。
そして、辻、辻にはPTAや子ども会などの役員の大人が”見回り”と称して立っている。
更には、子どもだけではなく、大人も一緒に各家を回っているのである。
こうなると、“1年に一度許された泥棒のスリルを味わう”伝統行事とは程遠く、“置かれた駄菓子を子どもも大人も一緒に集めに回る”今風行事に代わってしまった、といえる。そして、何よりも、お月見泥棒が、本来は“中秋の名月を拝む“という、収穫への感謝の念を込めたものであったことを忘れてはならないのではないか。
地域のリーダーが、今一度、本来の伝統行事の在り方を考え、現状を見直してほしいと願うばかりである。

2017. 田原氏

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